天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ライナスがエリアスに夢中になっているのを見て、ディートハルトは申し訳なさそうに謝罪してきた。

「いいよ、そんなの。ミリィだって、お兄さんがいたら独り占めしたいって思うだろうし。エリアスと遊んでいる間に、ディーとお話をする時間が取れれば十分よ」
「ありがとう──ライナス、ミリエラ嬢が来たら、どうするんだった?」
「──お茶」

 しぶしぶ立ち上がるライナスの側で、エリアスはしかめっ面になっていた。

 どうしたのかと思っていたら、ライナスのブラッシングは痛かったらしい。喉を鳴らしていたのは完璧に演技だったようだ。子守精霊、さすがである。

「ごめんね、エリアス。屋敷に戻ったら、埋め合わせするから」
「そうしてくれ」

 ちらりと目をやれば、大人達は少し離れたところでテーブルを囲んでいる。王妃の目が、心配そうにこちらを見ているのにミリエラは気が付いた。

(あの人も、いろいろと大変だよね)

 親しく付き合いたい相手でもないが、王妃の置かれている立場については、理解しようと思っている。彼女なりに、公正であろうとしているのも、ちゃんと知っているから。

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