天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　ライナスが一生懸命だから、ミリエラも彼に応えよう。ディートハルトの前で、いいところを見せたいのだということが伝わってくる。

「ライナス殿下は、お優しいですね。エリアスも、フィアンも喜んでいました」

　というのは、若干ミリエラの創作が入っている。

　エリアスは撫でられるのはともかく、ブラッシングは痛がっていた。あとで、ディートハルトに、ライナスのブラッシングについては伝えておこうと決める。

「兄上、どーぞ！」
「う、うん……ありがとう。ミリィもどうぞ」
「ありがとうございます、殿下」

　子供用のテーブルには、たくさんのお菓子が置かれている。

　ミリエラの好物であるジャムタルトもしっかり用意されているのは、ディートハルトが気を遣ってくれたからだろう。

　毎回、彼には驚かされてしまう。

　そんな中、ライナスはせっせとディートハルトのためにお菓子をとりわけ、ディートハルトは困惑した様子でミリエラに取り分けてくれる。

　はは、とミリエラもどう反応したらいいのかわからないという笑みでディートハルトを見ているしかなかった。

「兄上、僕にも！」