天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 精霊王達も、ミリエラの立場をおもんばかって、ライナスに接しているようだ。フィアンは、器用に羽根を一本抜き、ライナスの方に差し出した。

「これは、とても貴重な品なのである。精霊王の一部だからな」

 精霊は、具現化を解くと基本的には消えてしまう。けれど、精霊王がマナをこめた時、身体の一部を残しておくことができるそうだ。

 昔は、宝石にマナをこめていたそうで、それを精霊石などと呼んだそうだ。

 ミリエラもつい最近まで伝説のものだと思っていたのだが、実在していたらしい。

 そして、精霊が一部をこの世界に残しておくことをその名残で精霊石と呼ぶそうだ。あまりにも貴重で錬金術の材料には使えないけれど、お守りのようなものとして珍重されているという。

「……すごい! ありがとう、ええと──フィアン」
「ほほ、よいよい。子供は元気なのが一番じゃ。その点、ミリエラは少々おとなしいからのう」

 フィアンの目からすれば、ライナスの行動のあれやこれやは、可愛らしいものの範疇におさまっているようだ。ミリエラも同感ではあるけれど。

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