天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「──そうじゃなくて!」

 精霊王達の作り出した精霊石は、再びディートハルトの前に置かれる。

(ディーが言いたいのは、たぶん国宝級ってことよね)

 ミリエラも、伝説の存在だとしか思っていなかった。エリアスから、わけてもらったことなどないし。

(私も一個もらえないか聞いてみよう……! それから、カークの分も!)

 そんなにぽんぽん国宝級の品が出てきていいのかという気もするが、もともとグローヴァー領には不思議なものが多いし、気にするほどのことでもないだろう。

「──そうだ、ミリィ──も、ふたりに贈り物があるの」

 ミリエラの取り出した腕輪にふたりの目が釘付けになる。

「あのね、これは遠くにいてもお話ができるの。本当は、顏も見られるようにしたかったんだけど、それはまだできなくてパパと調べてるとこなんだ」

 通話部分については、既存の知識の応用でできた。だが、遠くに映像を送るという魔道具は今のところ存在していないらしい。

 そんなわけで、今回のところはこれで我慢してもらうことにした。

「ディートハルト殿下はあっち、ライナス殿下はここ」

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