天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 母が早く亡くなり、父からは遠ざけられたミリエラを守り育ててくれたのは、カークの両親、ニコラとオーランドであった。

 マウアー一家は、ミリエラにとってはもうひとつの家族。この屋敷でも、親戚に準じる立場として、他の使用人達と少し違う扱いを受けている。

 兄のようであり親友でもあるカークがこの屋敷で働いてくれるというのならそれはそれで嬉しいけれど。

(でも、カークを一生縛るってつもりもないのよね……)

 ミリエラの護衛騎士になると、今から決めなくてもいいような気がするのだ。まだ、未来を決めるには早すぎる。

 カークの未来の選択肢を狭めてしまうのは、ミリエラの本意ではないのだし。

(カークには、いつか修業に出てもらおうかな)

 きっと、彼が旅立つ時には寂しい思いをするだろうけれど、広い世界を見たら、護衛騎士以外の選択肢も見つかるかも。

(なんて考えるより、撮影撮影!)

 それからもディートハルトとカークは、一進一退の攻防戦を続ける。

 カークの方が強いとミリエラは思ったのだが、ディートハルトの方が技巧は上のように見える。

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