天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 もっと修業して、一人前の錬金術師となって、そして王位からは完全に離れると周囲の大人達を納得させることができたなら。

 ライナスと一緒に暮らすことができるのは、それからになる。なるべく早く、その日がくればいい。

 

 ◇ ◇ ◇



(──それにしても、ディー遅いな)

 今日は、グローヴァー領に戻る日である。ディートハルトを王宮まで迎えに行ったのだが、なんだかざわざわとしていた。

「どうしたんだろうね?」

 と、側にいたカークに問いかけてみる。いつもと違う王宮の空気に、カークもなんだか困惑している様子だった。

「俺にもわかんない。でも、侯爵様とミリィが来ているのにこれだけ放置してるってないよな」
「だよねぇ……っていうか、ディーがいないのがおかしい」

 いつもなら、侍従が出迎えに来てくれる頃合いなのだが。

 ディートハルトは、国王夫妻やライナスと別れを惜しんでいるのだろうか。

 ライナスがあれだけディートハルトべったりだったことを考えると、ライナスがディートハルトを離さないというのが一番可能性が高そうだ。

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