天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「それが……その……」
「事情を説明しに来たのではないか? ディートハルト殿下に、出立できない事情ができたのか? ならば、我々も出立を遅らせるが」
父の様子に、侍従は固まっている。
(……あれ、また氷モードに突入している)
前にも思ったのだが、父は身内と認定した相手以外には、どこまでも冷たくなることができるらしい。
ミリエラの前でこういった姿を見せることは少ないが、それは単に社交上の儀礼的な場で客人に応対している姿しか見せていないからではないだろうか。
(あの人にもそうだったもんな……)
気が付いたら、すっかり社交界からも姿を消していたラント伯爵令嬢。
ミリエラは大人の集まりには出席しないので、王妃からこっそり聞いた噂話でしかないけれど、父が追い払ってしまったのだとか。
ミリエラ個人はそこまで恨みはないので、彼女にはぜひ父から遠いところで幸せになってもらいたいものである。
それはさておき。
父に睨まれた侍従は、かわいそうなくらいに怯えた表情をしていた。この場の空気まで、完全に冷え込んでいる。
「パパ、ちょっと怖いよ」
「事情を説明しに来たのではないか? ディートハルト殿下に、出立できない事情ができたのか? ならば、我々も出立を遅らせるが」
父の様子に、侍従は固まっている。
(……あれ、また氷モードに突入している)
前にも思ったのだが、父は身内と認定した相手以外には、どこまでも冷たくなることができるらしい。
ミリエラの前でこういった姿を見せることは少ないが、それは単に社交上の儀礼的な場で客人に応対している姿しか見せていないからではないだろうか。
(あの人にもそうだったもんな……)
気が付いたら、すっかり社交界からも姿を消していたラント伯爵令嬢。
ミリエラは大人の集まりには出席しないので、王妃からこっそり聞いた噂話でしかないけれど、父が追い払ってしまったのだとか。
ミリエラ個人はそこまで恨みはないので、彼女にはぜひ父から遠いところで幸せになってもらいたいものである。
それはさておき。
父に睨まれた侍従は、かわいそうなくらいに怯えた表情をしていた。この場の空気まで、完全に冷え込んでいる。
「パパ、ちょっと怖いよ」