天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
侍従が気の毒なので、救いの手を差し伸べることにした。彼とは以前顔を合わせたことがある。保冷布の発明のお礼を言ってくれたので、ミリエラの中ではいい人認定だ。
「すまない。そうだな、ミリィ──それで、オーランド。なにがあった」
「侯爵、僕から説明させてもらっていいかな」
子供らしく、いくぶん高い声が話に割り込んできた。ディートハルトである。
「ライナスが、行方不明になったんだ。どこまで話を広めていいものか、迷っていたんだと思う」
「──ライナス殿下が?」
さすがの父も、驚愕の表情になった。
(行方不明って……?)
ここは王宮。ライナスを拉致することは難しいだろう。
(私が誘拐されたのだって、犯人が王宮内にいる人だったからだよねぇ……)
昨年、ミリエラは王宮を訪れた際、誘拐されてしまったのだが、それはミリエラの精霊眼を求めた魔術師の暴走であった。
王妃の信頼厚い魔術師で、王宮内は王族の私的な空間以外どこでも出入り自由だった人だ。
あれ以来、王宮の警備はますます厳重になっているはずだし、ライナスを連れて外に出るのも難しいのではないだろうか。
「すまない。そうだな、ミリィ──それで、オーランド。なにがあった」
「侯爵、僕から説明させてもらっていいかな」
子供らしく、いくぶん高い声が話に割り込んできた。ディートハルトである。
「ライナスが、行方不明になったんだ。どこまで話を広めていいものか、迷っていたんだと思う」
「──ライナス殿下が?」
さすがの父も、驚愕の表情になった。
(行方不明って……?)
ここは王宮。ライナスを拉致することは難しいだろう。
(私が誘拐されたのだって、犯人が王宮内にいる人だったからだよねぇ……)
昨年、ミリエラは王宮を訪れた際、誘拐されてしまったのだが、それはミリエラの精霊眼を求めた魔術師の暴走であった。
王妃の信頼厚い魔術師で、王宮内は王族の私的な空間以外どこでも出入り自由だった人だ。
あれ以来、王宮の警備はますます厳重になっているはずだし、ライナスを連れて外に出るのも難しいのではないだろうか。