天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ディートハルトと、ライナスに贈った腕輪。その腕輪に使ったのと同じ魔石から作った溶液が染み込ませてある。

(GPSの原理なんて、私わからないもんね……)

 目には見えないけれど、地図は縦横三百ものマス目が透明なインクで描かれていた。

 マナを流し込むと、地図の範囲内に同じ魔石の欠片がある場合、該当する区画が光るのである。縮尺を変更しても、該当の場所を光らせなければならないため、調整には苦労した。

(……ん?)

 光った区画を見たミリエラは眉間にしわを寄せた。カークも口をぽかんと開いている。

「ねえ……まだ、王宮内ぽいんだけど……」

 地図の一点、赤く輝いているのは王宮の場所であった。だが、先ほどからずっと騎士達が探しているのだ。まだ、王宮内に誘拐犯と共にいるのだとしたら、見つからない方がおかしい気がする。

「ミリィ、地図を巨大化できないか」
「……そっか。ええとね、ディー。こういう風に内から外に手を動かしてみて」

 赤く点滅している場所を挟むように手を置き、その手を内側から外へと開く。そうすると、地図の縮尺が大きくなった。

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