天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
今まで王宮のある場所で光っている、というだけだったのだが、今地図の表面に描かれているのは王宮を上から見下ろした図だ。
(……これ作るの大変だったな……)
ミリエラは一瞬だけ、遠い目になった。
この地図には、王宮を中心に、縮尺を変えて十枚の地図が描かれている。マナを流し、左右に広げるか縮めるかで縮尺を変更することができる。
前世で便利に使っていた地図アプリのようなわけにはいかないから、あくまでも王宮を中心としたものである。
それと、もうひとつはグローヴァー領、ディートハルトの屋敷を中心としたもの。兄弟にそれぞれ、相手の暮らしている場所の地図を渡すつもりだったのだけれど、まさかこんな使い方をすることになるとは。
「王宮の中って言うか……このあたりにいるっぽいんだけど」
困惑したディートハルトの声。ぐるりと見回してみるが、『ライナスを連れた誘拐犯』が身をひそめることができるような場所は見当たらない。
「ねえ、もしかしたら、なんだけど」
ミリエラは、二台並んでいる馬車を指さした。
この馬車には、ディートハルトが領地に持っていく荷物が積み込まれている。
(……これ作るの大変だったな……)
ミリエラは一瞬だけ、遠い目になった。
この地図には、王宮を中心に、縮尺を変えて十枚の地図が描かれている。マナを流し、左右に広げるか縮めるかで縮尺を変更することができる。
前世で便利に使っていた地図アプリのようなわけにはいかないから、あくまでも王宮を中心としたものである。
それと、もうひとつはグローヴァー領、ディートハルトの屋敷を中心としたもの。兄弟にそれぞれ、相手の暮らしている場所の地図を渡すつもりだったのだけれど、まさかこんな使い方をすることになるとは。
「王宮の中って言うか……このあたりにいるっぽいんだけど」
困惑したディートハルトの声。ぐるりと見回してみるが、『ライナスを連れた誘拐犯』が身をひそめることができるような場所は見当たらない。
「ねえ、もしかしたら、なんだけど」
ミリエラは、二台並んでいる馬車を指さした。
この馬車には、ディートハルトが領地に持っていく荷物が積み込まれている。