天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「もー、ミリィがなんのために腕輪を作ったと思ってるの!」

 ディートハルトが困っているのを見かねて、思わず割って入る。きょとんとした顔で、ライナスはこちらを見た。

「ライナス殿下、その腕輪はディートハルト殿下とライナス殿下だけお話できる腕輪でしょ? 離れていたって、お話をすることはできる。気持ちも通じていると思うんだけど……」
「──でも」

 ライナスはまだ不服らしい。

「じゃーんっ! では、ミリィはこの地図もおまけにつけちゃいます!」

 ミリエラが広げたのは、グローヴァー領、ディートハルトの屋敷を中心とした地図だった。

 縮尺を小さくすると、侯爵家のある街の地図、その周辺も含めた地図──と、どんどん地図が変化して、最終的にはこの国全体の地図が描かれる。

「ライナス殿下は、まだ、マナは流せないのよね。カーク、そっちの地図貸して」

 カークが持ってきた地図とミリエラが持っている地図を並べて地面に広げる。

「えいっ──うりゃうりゃっ!」

 ミリエラが地図にマナを流し込むと、ミリエラが持っていた地図の一画が点滅した。王都がある地域である。

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