天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 王宮でかぶっている『ちょっぴり背伸びをしている六歳児』の仮面は勢いよく放り投げる。

 年齢より少々子供っぽく振る舞っている自覚はあるけれど、これが今のミリエラだ。

「ライもまたグローヴァー領に来て! ディーが錬金術を使うところも見たらいいと思うの」

 ミリエラの提案に、ライナスの目は歓喜の光でいっぱいになった。くるりと王妃の方をふり返る。

「お母様、行ってもいい?」
「お父様に、相談してみましょうね」

 いずれ、近いうちに国王夫妻は再びグローヴァー領を訪れることになるだろう。

 王都と同じくらい錬金術で栄えている父の領地は、国王としても見逃すわけにはいかない場所だからだ。

「わかった、そうする!」

 次の視察にライナスを同行させる──警備は少々大変になってしまいそうだけれど、兄弟が離れて暮らしているのは大人の事情なのだ。

 大人達の方も、少しくらい苦労したっていいはずだ。

 ──こうして、ミリエラの王都訪問は、新たな友人を得るという結果に終わり、その結果にミリエラは大満足であった。


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