天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
第八章 天才幼女錬金術師は、今日も皆を笑顔にしています!

 領地に戻ってきて驚いたのは、ニコラのお腹が出発前よりだいぶ大きくなっていたことだった。出産は秋だというのに、今からこんなにお腹が大きくなっていて大丈夫なのだろうか。

「……ミリィ、いい子にするね」
「ミリエラ様は、いつでもいい子ですよ」

 ミリエラになにかあれば、走り回るのが乳母の役目だ。

 これ以上、ニコラに負担は負わせられない。改めて、ちゃんとしようと決める。

「俺、お兄ちゃんになるんだな」

 ずいぶん前からニコラのお腹に赤ちゃんがいると言っていたのに、カークはようやく実感が出てきたのだろうか。

 ニコラのお腹に手を当てて、目を丸くしているカークの様子は可愛らしいが、本人には言わないでおいた方がいいだだろう。かっこいいと言われたいお年頃なのである。

 中が動くのがわかったのか、カークはほわほわとした笑みを浮かべた。ニコラの肩を抱いたオーランドも、満面の笑みを浮かべる。

(風邪もひかないようにしなくちゃ!)

 親子の様子を見ながら、ぐっと拳を握りしめて決意する。

 ミリエラが風邪をひいたら、ニコラが看病することになる──いや、今は父が看病してくれるだろうか。
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