天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
とはいえ、ミリエラが風邪を引いたらニコラにうつってしまう可能性大なわけで、それではいろいろと問題だ。ニコラは風邪薬を気軽に飲むわけにはいかないのだから。
(カークにもうがい手洗いをしっかりさせなくちゃ)
うがい手洗いに関しては、カークはなぁなぁになってしまうところがあるけれど、これからはしっかりミリエラが見張っておかなければ。
なにはともあれ、屋敷に戻ってきて、久しぶりに領地での生活が始まった。
王都に滞在している間も、家庭教師と毎日決まった日課はこなしていたけれど、引き続き復習はしなくてはならない。
勉強して、父の仕事場で見学させてもらって、それからディートハルトが来ていれば錬金術の修業もして。
午後になって、自由時間になったらカークも一緒に遊ぶ。庭園は広いから、走り回る場所には困らない。
「なぁなぁ、ライは夏の終わりに来るんだろ?」
カークがそう口を開いたのは、鬼ごっこをして遊び回り、少し座って休もうとなったところだった。
真夏の日差しは強いけれど、涼しい木陰に敷物を広げて座れば気持ちいい。