天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ライナスも錬金術に興味を持ってくれたなら。

 ディートハルトがこの地で錬金術師として生きていくことに、納得してくれるかもしれない。

 もちろん、ディートハルトが王宮に戻って王宮で暮らすというのなら、それを止めることはできないし、止めるつもりもない。

 カークの未来を縛りたくないと思うのと同時に、ディートハルトの未来も縛りたくないのだ。もちろん、ミリエラの未来を誰かに縛らせるつもりもない。

「男の子ってなにが好きなの?」

 ミリエラの問いにふたりとも首を傾げてしまった。

「俺は、剣が好き!」
「僕は今、錬金術の勉強をするのが楽しいかな……」

 カークにしてもディートハルトにしても、未来をしっかり見据えている。

 早すぎるほどにしっかりしているが、それは今ミリエラが欲しかった答えではない。

「そうじゃなくて、ライはなにが好きなの?」

 ディートハルトは、そこで首を傾げないでほしい。今夜、話す時になにが好きか聞いてもらおうか。

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