天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 この世界でも、花火は火薬を詰めた玉を打ち上げたものである。当然、専門の花火職人にお任せしなくてはならない。

「難しいね。花火師の手配はできると思うんだけど」
「それなら、ミリィが打ち上げたらいいじゃないか」

 難しい表情をしているディートハルトの横で、さらっとカークが言い放つ。

「え?」
「だからさ、ミリィじゃなくてもいいんだけど。魔石のマナを使って打ち上げればいいんじゃないか? スイッチを入れたら、ポンと上に跳ね上がってさ。侯爵様に言えば、そういう魔道具見つけるか作るかしてくれるだろ」

 錬金術を学んでいない彼には、具体的な方法まではわからないみたいだけれど、こういう発想の面ではものすごく力強い援軍である。

「カーク、すごい!」

 両手を突き上げたミリエラの様子に、カークは安心したようだ。笑って、ミリエラの手を掴むとぶんぶんと上下に振った。

「俺も手伝う!」
「やったね! ディーも、手伝ってくれる?」
「もちろん!」

 三人揃えば、無敵だ。

 なんだって、できる気がする──それに、ミリエラには力強い援軍がまだまだたくさんついている。

「そうとなったら!」
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