天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 花火は発射筒に仕込まれた火薬が爆発すると、上空に打ち上げられる。父もその原理は知っているのだろう。子供にはまず無理だということも。

「でも、ミリィ達なら、安全に花火を打ち上げられるんじゃないかなって思うの」

 ふむ、と父は顎に手を当てて考える顔になる。父がこういう時、ダメと言わないのをミリエラはちゃんとわかっていた。

「では、自分達でまず考えてごらん。どうやったら、作ることができるか。ディートハルト、君が代表して紙に書きなさい。カークにもミリエラにもまだ無理だろうし」
「はい、先生」

 ディートハルトは、背筋をぴしりと伸ばして父に返す。その横でふくれっ面になったのはミリエラだった。

「パパ、ミリィちゃんと書けるよ」
「君に読めても、私には読めないからね。もう少し、練習が必要だ」

 父のもっともな言葉に、ミリエラはむぅと唸るしかなかった。毎日文字の練習はしているが、ミリエラ以外には解読困難なのである。

 練習次第だとニコラは言うし、もう少し大人になったらちゃんと書けるとミリエラも信じてはいるが。

(……練習、頑張らなくちゃ)

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