天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 長方形は、中にソーセージの入っているパイで、それ以外の形のパイを焼いた時には、中身の説明をしたカードが添えられることになっている。

 今日は、正方形のパイにラズベリーパイだとカードが添えられていた。

「ミートパイふたつ!」
「おっけー!」

 器用にトングを使い、バスケットから三日月形のパイを二つカークの皿に載せてやる。側にあったサンドイッチも取り分けてやった。

「ディーは?」
「僕は自分でとれるよ。ありがとう、ミリィ」

 自分の皿を取り上げたディートハルトは、三日月形のミートパイをひとつ、正方形のラズベリーパイをひとつ、取り分ける。それからちょっと迷って、生クリームで飾りのついたカップケーキをひとつ、載せた。ふたりとも、よく食べる。

 ミリエラもラズベリーパイを手元に取る。どのくらい食べられるかわからないから、このパイを食べてから次どうするか決めよう。

 冷たい紅茶にはたっぷりとシロップが入っていて、甘い。そこにミルクを入れてミルクティーにする。

「今日の記録板、ミリィが作ったんでしょう? どのくらいこねた?」
「んー、十五分くらい? けっこう大変だった」

< 27 / 279 >

この作品をシェア

pagetop