天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 父の穏やかな物腰は、ライナスをすっかり安心させたようだ。ミリエラも手伝い、玉をぴったり合わせる。父がマナを流し込んで、二つの玉を密着させた。

「これで、完成です。殿下」
「僕の作った花火?」

 ライナスの目が輝いた。王妃も感心したような目をしている。

「はい、殿下の完成させた花火ですよ。よろしければ、打ち上げてみましょう──町にも、今日の午後花火を打ち上げると通達済みなので、騒ぎになるようなことはありませんから」

 錬金術師である侯爵邸で大爆発が起きたとなると、大騒ぎになってしまうのだ。事前の通達は必須である。

「では、行きますよ」

 発射台も父の協力を得て完成させた。

 マナを流してスイッチを入れると、圧縮された空気が、一気に玉を打ち上げるのだ。

 打ち上げられた玉は、とんでもない速度で上昇していき、打ち上げから五秒たったところで、大きく開くという作りになっている。

(ふふ、ライはびっくりするでしょうね)

 全てを計画したミリエラは、にやにやとしている。

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