天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
ディートハルトは、立派な錬金術師の弟子だし、立派な王族でもある。
離れていても、兄弟の心は繋がっているから、ライナスが道を誤ることはないだろう。
「そうだね、パパ。それで、ミリィになんのお話?」
どうも父はミリエラに気を遣いすぎる傾向にある。
普段はあまり見せないようにしているけれど、真面目な話をしようとすると五年もの間放置していたという負い目が前に出てきてしまうらしい。
「ミリィにはかなわないな──ミリエラ、君は母親が欲しいと思う?」
膝をついて目の高さを合わせ、真顔で問われる。そんなの、改めて聞く必要なんてないのに。
「うーん、いらないかなぁ。パパがいてくれるなら、それでいい」
父が納得していない様子なので、と少し考えてから付け足した。
「別に、お母様がいたらいいなって思ったことはないし。ミリィのママはひとりだけだもの」
「そうか」
少し、困ったような顔をして父が笑う。
ミリエラの幸せを壊しにかかる人にはどこまでだって冷酷になれるのに、どうしてミリエラを前にするとこう落ち着かなくなるのだろう。
離れていても、兄弟の心は繋がっているから、ライナスが道を誤ることはないだろう。
「そうだね、パパ。それで、ミリィになんのお話?」
どうも父はミリエラに気を遣いすぎる傾向にある。
普段はあまり見せないようにしているけれど、真面目な話をしようとすると五年もの間放置していたという負い目が前に出てきてしまうらしい。
「ミリィにはかなわないな──ミリエラ、君は母親が欲しいと思う?」
膝をついて目の高さを合わせ、真顔で問われる。そんなの、改めて聞く必要なんてないのに。
「うーん、いらないかなぁ。パパがいてくれるなら、それでいい」
父が納得していない様子なので、と少し考えてから付け足した。
「別に、お母様がいたらいいなって思ったことはないし。ミリィのママはひとりだけだもの」
「そうか」
少し、困ったような顔をして父が笑う。
ミリエラの幸せを壊しにかかる人にはどこまでだって冷酷になれるのに、どうしてミリエラを前にするとこう落ち着かなくなるのだろう。