天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

「でも、パパに好きな人ができたら最初に教えてほしいなぁ……その人が、ミリィのお母様になるなら、いいよ」

　父が、新たな幸せを見つけようとするのを阻止しようとは思ってない。

　もし、もしも。

　母を愛した過去を持つ父を丸ごと受け入れてくれるそんな女性が現れたなら──その時には、父がもう一度結婚したってかまわない。

「そうだね。その時には最初にミリィに教えることにする。そのかわり──ミリィに好きな人ができたら、最初に教えてほしいな」
「それなら、今言えるよ？　ミリィが一番好きなのは……パパだもん！」

　今の素直な気持ちを口にすれば、父は顔をほころばせた。

　どういう理由かこの世界に生まれ変わって。

　最初のうちは、また愛を得られないのだと思った──でも。

　父だけじゃない。ニコラやオーランドやカーク、親しくなったディートハルトに新しい友ライナス。ミリエラの周囲にはたくさんの人がいて、惜しみない愛情を注いでくれる。

　それに、エリアスやフィアン──まだ会ったことのない精霊達も。

　だから、これ以上なにかを望む必要はないのだ。