天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 大人ならばもう少し時間短縮できるのだろうが、ミリエラの手は小さい。しかも全身の力をこめなければならないため、時間がかかってしまった。

「じゃあ、僕もそのくらいかかるかなぁ……今度、手伝ってもいい?」
「いいよ! カークとディーのお稽古の様子は、記録に残しておかなくちゃ。パパ、時々王宮にも送っているみたいだし」

 王都を離れて暮らしているディートハルトの成長を、国王夫妻は気にかけているようだ。先日、王都に顔を見せに行ったばかりだが、父のところにはしばしば手紙が届いている。

「ヒトカゲモドキの尾が手に入ったら、もうちょっと記録時間を伸ばせるんだけどな」
「ヒトカゲモドキの尾って、どんな効能があるんだっけ」

 先にミリエラが口にした魔物の名は、トカゲに似た姿をしている炎属性の魔石を持つ魔物の名だ。記録板を作る時に素材に入れると、記録時間を長くすることができるのである。

「でも、ヒトカゲモドキを捕まえるのって、とっても大変なんだって」

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