天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「だから、ごめんって言ってるじゃないか」

 ふたりのやり取りを聞きながら、ミリエラは密かに反省した。

 ディートハルトと会うと、いつも錬金術の話をしてしまう。

 今まで父とふたりきりだったから、年上だけれど、弟弟子ができたのも嬉しかった。

 ミリエラほどではないにしても、ディートハルトもなかなか素質があるようで、同年代の子供よりも明らかに理解が速いと父も感心している。

 彼が成長すれば、ミリエラと一緒に扱うことのできる素材もどんどん増えるというわけで、このところディートハルトの訪れがますます楽しみになっていたのも否定はできない。

「ごめん、今度はカークのわかる話をしよう。ほら、王宮の騎士がドラゴン退治した話とか!」
「ミリィ、俺のこと馬鹿だと思ってるだろ!」

 馬鹿にしたつもりはなかったのけれど、カークにはそう受け止められてしまった。

 たしかに、王宮で厳しい教育を受けてきたディートハルトにしても、前世の記憶があるミリエラにしても、子供らしからぬところが多々ある。大人びていると言えばそうだけれど、年の近い子供との関係には弊害となることもある。

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