天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　年相応のカークからすると、ふたりに置いていかれたような気分になってしまうのも仕方のないところなのかもしれない。たとえ、ミリエラ達に、カークを仲間外れにしているつもりはなかったとしても。

「そんなことないよ、僕もミリィも君のことが大好きなんだから」
「そんなの、本当かどうかわからないだろ！」

　かっとなった様子のカークは大声で喚(わめ)き散らす。手が出ないだけ、まだましという勢いで地団太を踏んだ彼は、一瞬動きをとめ、座ったままのふたりを見下ろした。

「……ごめん」
「ごめんなさい」

　再び、ディートハルトとミリエラの口からは、謝罪の言葉が漏れた。

　今のはたしかにミリエラとディートハルトが悪い。

　ふたりの謝罪にカークは渋々座り直したけれど、その後三人の間にはぎこちない空気が漂ってしまった。

（……失敗したなぁ）

　一番年下ではあるけれど、カークが仲間外れにならないように、気を遣ってあげないといけなかったのに。

「ごめんね、カーク」
「僕も、本当に悪かったと思っているから」

　ふたりしてもう一度謝ったけれど、カークの耳には、謝罪は届いていないようだった。