天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 今日、お喋りできなかった分、ひそひそとベッドの中でささやき合う。カークも、なにか作るときに手伝いはしたいらしい。

 材料を切ったりすりつぶしたりするのは、錬金術師でなくてもできるから、今後はカークもちゃんと仲間に入れてあげよう。

 次の日、カークを起こしに来たニコラにはあきれられてしまったけれど、カークと仲直りできたのだから終わりよければすべてよし、である。

 

(……次にディーが来る時には、もうちょっと考えなくちゃ)

 今日は、ディートハルトは自分の屋敷で勉強しているために、ここには来ない。テーブルの上にノートを広げたミリエラは、うんうんと考え込んでいた。

 ミリエラとカークは仲直りしたけれど、カークとディートハルトはまだだ。

 もちろん、カークはもう怒っているわけではないし、今度顔を合わせた時にはふたりともいつも通りに戻っているのだろうけれど。

 でも、それだけでは物足りない気がするのだ。

『ミリエラよ、どうかしたか?』

 風の精霊王エリアスの声が、ミリエラの耳に聞こえてくる。エリアスはミリエラが契約した精霊だ。

< 40 / 279 >

この作品をシェア

pagetop