天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 自由気ままなように見えていて、実はかなりの世話焼きであるのをミリエラは知っていた。なにしろ、ミリエラと父の関係改善に一役買ったのがエリアスなのだ。

「あのねえ、カークとディーに仲直りしてほしいの。ううん、もう仲直りはすると思うんだけど」

『そんなの。茶会を開けばよかろう。我の眷属(けんぞく)も力を貸すぞ』

「そりゃ、お茶会は楽しいけど……カークとディーにも、精霊達を見られるようにしてくれる?」

『もちろんだとも──ミリエラ、我を呼ぶがいい』

 ミリエラには存在を察知することができるけれど、エリアスが具現化するためにはミリエラが呼ばなければならないのだ。

 すとん、と床の上に降り立ったエリアスは、白く美しい毛並みをした巨大な猫の姿をしていた。精霊というだけあり、大きさはある程度自由に変えられるらしい。

 そして、エリアスの周囲を、白い翼の生えた猫達が飛び回っている。エリアスと契約してから、風の精霊は空飛ぶ猫の姿で見えるようになった。

 なぜ、猫の姿をしているのかは今まで聞いたことがないけれど。

「ほれ、この者達に茶の用意をさせよう」

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