天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　子供達しかいないとはいえ──厳密には、護衛の騎士が見守っているので子供達だけではないのだが──お茶会の用意は本格的である。

　ティーセットは、ミリエラが先日購入した白い地に花柄が描かれているもの。子供の頃から侯爵家で暮らしているカークは、意外とこういったものを出されても動じることはない。

「うわ、本格的だね！」

　素直に感嘆の声をあげたディートハルトは王子様である。王宮では、もっとちゃんとしたティーパーティーに参加しているだろうに、ミリエラの会に喜んで来てくれた。

「でしょー、厨房のおじさんにも手伝ってもらったの！」

　今日はディートハルトとカークと仲直りの会だから、ミリエラの好物は後回しである。

　カークの大好きなミートパイ、ディートハルトが気に入っているクッキーがテーブルの中央に置かれている。

　ミリエラの好きなジャムタルトは、テーブルの端の方でひっそりと待っていた。

　サンドイッチはスモークチキンと野菜を挟んだもの。剣術の稽古のあとなので、しっかりお腹も満たしておきたい。