天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 それがいいか悪いかを判断することはミリエラにはできないけれど、ディートハルトがここで穏やかに幸せに生きてくれるのならそれでいいような気もする。

 と、ここでディートハルトは話を戻した。

「それでね、ニコラ。もし、オーランドと侯爵がいいよって言ってくれたら、カークと一緒に行きたいんだけどいいかな?」
「カークと、ですか?」

 驚いた様子で目を見開いたニコラに向かい、ディートハルトはうんとひとつうなずいた。

「カークはミリィの騎士になるんでしょう? だったら、野営の訓練もしておいた方がいいかなって。僕だけ子供だから、カークが一緒にいてくれたら心強いっていうのもあるんだけど」

 それで、ニコラの体調を気にしていたらしい。

(カークが行きたいなら、行ってもいいと思うけど)

 ディートハルトはミリエラには誘いをかけていないけれど、それはミリエラが魔物退治に出られない年齢なのを知っているからだ。

 ミリエラがちらりとディートハルトの方に目をやったら、彼はぱちりと片目を閉じて合図してきた。

(なるほど、やるな……!)

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