天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
ミリエラとディートハルトがカークを忘れて話し込んでしまい、カークを怒らせてしまったのはつい先日のこと。
今回カークを誘ったのは、その罪滅ぼしという意味もあるらしい。
ミリエラには、彼の意図がちゃんと伝わっていてすねないとわかってやっているのだから、恐るべき子供である。
「母上! 俺行きたい!」
「カーク!」
ぽちゃんとトマトソースにスプーンが滑り落ちて、あたりに真っ赤なソースが飛び散る。ニコラは額に手を当てた。
「こんな調子じゃ許せませんよ……!」
「母上!」
お願いだから──とカークはニコラに頼み込み、額に手を当てたままのニコラは、渋々といった様子で首を縦に振った。
「お父様と侯爵様がどうおっしゃるかですよ。私ひとりでは許可は出せませんからね」
「はい! 母上!」
背筋を伸ばしたカークはとてもいい返事をしたけれど、大丈夫かしらとニコラがため息をついたのを、すぐ側にいたミリエラは見逃さなかった。
それから五日後。
まだ、薄暗い玄関前に、眠い目をこすっているミリエラと、出かける支度をばっちり調えたカークがいた。
今回カークを誘ったのは、その罪滅ぼしという意味もあるらしい。
ミリエラには、彼の意図がちゃんと伝わっていてすねないとわかってやっているのだから、恐るべき子供である。
「母上! 俺行きたい!」
「カーク!」
ぽちゃんとトマトソースにスプーンが滑り落ちて、あたりに真っ赤なソースが飛び散る。ニコラは額に手を当てた。
「こんな調子じゃ許せませんよ……!」
「母上!」
お願いだから──とカークはニコラに頼み込み、額に手を当てたままのニコラは、渋々といった様子で首を縦に振った。
「お父様と侯爵様がどうおっしゃるかですよ。私ひとりでは許可は出せませんからね」
「はい! 母上!」
背筋を伸ばしたカークはとてもいい返事をしたけれど、大丈夫かしらとニコラがため息をついたのを、すぐ側にいたミリエラは見逃さなかった。
それから五日後。
まだ、薄暗い玄関前に、眠い目をこすっているミリエラと、出かける支度をばっちり調えたカークがいた。