天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　テントを見た瞬間そう声をあげ、最初の実験台を買って出たのは、オーランドだった。庭にテントを張り、一晩そこで過ごすという実験である。

　カークも一緒についていったのは、テント生活がちょっぴり楽しかったからではないだろうか。

　テントは寝にくいとかなんとか言いながらも案外楽しんでいたのだから、この世界にキャンプという概念があったら、きっとカークはキャンプにはまっていたに違いない。
　ミリエラも参加しようとしたら、ニコラにとめられた。まずは身体の頑丈なオーランドに実験させるべきというのが彼女の言い分だったけれど、カークも参加でよかったのだろうか。

「床が平らなのがなによりいいですね。高床になっているから、多少の雨ならテントの床が濡れることもないでしょうし」
「本当？　それならよかった」

　カークも床が平らなのがとても気に入ったらしい。

「マナを流すと膨らむマットとかあったらもっといいのかな……」

　たしか、前世では空気を入れると膨らむマットというものがあったはずだ。