天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 電動式の空気入れで空気を入れると、あっという間に膨らむというのをテレビショッピングなどで見たような気がする。

 あのマットはとても分厚かったけれど、あそこまで分厚くなくても問題はないだろう。テントの床を堅く平らにするだけではなく、ふわふわになればもっといいのではないだろうか。

(でも、一度にいろいろな要素を持たせるのって難しいんだよね……)

 ひとつの素材が持っている効果は、たいていひとつである。それをいくつか組み合わせることで魔道具として成立させるのだが、中には反発し合うものもある。

 適当に素材を混ぜ合わせればいいというわけでもないのだ。

 たとえば、このテントの四隅。高床式にするために四隅にマナを流せば膨らむ部品を設置したのだが、これは別の素材を貼り付けてある。

 風船タンポポという、タンポポの種を使っているのだ。

 タンポポは種に羽毛がついていることで風にのり、遠くまで飛んでいくけれど、風船タンポポはさらにその上を行く。

 特殊なガスを発生させることで種そのものが膨らみ、空気よりも軽くなる。そして、風に乗って普通のタンポポよりも遠くまで飛んでいくのだ。

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