天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
元来の美貌だとか、侯爵という地位とか、莫大な財産とか、その財産を築くのに一役買った錬金術の才能とか。
過去に結婚していたことがあって、ミリエラという娘がすでにいるのはマイナス点だろうけれど、それを上回る魅力が父にはある。
見方によっては、父を自分の陣営に引き入れることで、次代を担うであろうミリエラまで取り込むことができるのだから、父との結婚を望む貴族が多くても当然なのだ。
(お母様を愛してるから、断っている……ならいいんだけど。私に遠慮してるから、だったら困るのよねぇ……)
昨年は、こんなことは考えなかった。
父とミリエラ、それにマウアー一家。ミリエラの知っている世界はとても狭いものだったし、それで十分成り立っていた。
だが、父が社交界に復帰することにより、一度は途絶えた親交が復活しているし、新たに知り合いになった人もたくさんいるようだ。
その中には、年頃の女性もたくさんいるだろう──それなら。
父は父なりの新しい幸せを探してもいいのではないだろうかという気もする。
「……大変だ」
手紙を仕分けしていた父が、不意につぶやいた。
過去に結婚していたことがあって、ミリエラという娘がすでにいるのはマイナス点だろうけれど、それを上回る魅力が父にはある。
見方によっては、父を自分の陣営に引き入れることで、次代を担うであろうミリエラまで取り込むことができるのだから、父との結婚を望む貴族が多くても当然なのだ。
(お母様を愛してるから、断っている……ならいいんだけど。私に遠慮してるから、だったら困るのよねぇ……)
昨年は、こんなことは考えなかった。
父とミリエラ、それにマウアー一家。ミリエラの知っている世界はとても狭いものだったし、それで十分成り立っていた。
だが、父が社交界に復帰することにより、一度は途絶えた親交が復活しているし、新たに知り合いになった人もたくさんいるようだ。
その中には、年頃の女性もたくさんいるだろう──それなら。
父は父なりの新しい幸せを探してもいいのではないだろうかという気もする。
「……大変だ」
手紙を仕分けしていた父が、不意につぶやいた。