天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「でも、どうしてこっちに来ることになったのかな」 

「今回は、ディートハルト殿下も開発に関わっているだろう。それに、ライナス殿下にはまだ、お目にかかったことがない。だからだろうね」
「そうだねぇ……この間、王宮のガーデンパーティーに行った時にも会えなかったもんね」

 最初に王宮に行ったのは、ディートハルトに会いに行った時。ミリエラが誘拐されてしまい、ライナスとは関わる機会はなかった。

 あの時、ライナスと顔を合わせる予定でなかったのは、あの時はミリエラと王家を関わらせていいものかどうか迷っていたからという可能性もありそうだが、その点については横に置いておく。

 その次に王宮に行ったのは、誘拐犯への罰がどうなったのか聞かされるためだったから、ライナスと顔を合わせる余裕などあるはずもなかった。ディートハルトが、王位継承権を返上するという爆弾発言をした直後でもあったし。

 前回、王宮で開かれたガーデンパーティーにライナスがいなかったのは、単に風邪をひいて欠席だったからである。

「しかし、国王夫妻をおもてなしするとなると考えなければならないことがいろいろと増えるな」

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