天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ディートハルトも国王の特徴は受け継いでいないから、母親似なのかもしれない。

 なんてことを考えている間に、王妃はディートハルトの方に向かって歩みを進めていた。

「元気にしていましたか?」
「はい、義母上」

 膝を下り、目の高さを合わせた王妃はディートハルトの頬に手を当て、しみじみと顔をのぞきこんだ。

「しばらく見ない間に立派になりましたね。よく勉強しているのが伝わってきます」
「ありがとうございます」

 その様子を見ながら、ミリエラは小さく息をついた。

 王妃とディートハルトの間には、昨年のような緊張感はない。少なくとも、友好的な関係を作ろうという意思は、ふたりとも持ち合わせているようだ。

「兄上!」

 高い声がして、王妃のスカートの陰から飛び出したライナスは、ぎゅっとディートハルトに抱き着いた。あまりの勢いに、ディートハルトがよろめいたほどだ。

「ライナス、元気にしていたか?」
「はい! 兄上の言うことをちゃんと守って、母上の言うことを聞いていい子にしていました!」

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