天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
ディートハルトの誕生会は、彼に贈り物を渡すところから始まった。最初は、グローヴァー侯爵家を代表してミリエラからだ。
「……ディートハリュト殿下、お誕生日おめでとうございます」
──噛んだ。
ディートハルトにプレゼントの包みを渡しながら、ミリエラは内心舌打ちした。
出会った頃、ディートハルトの名を正しく呼べなくて、『ディー』でかまわないと言われ、それ以来私的な場ではずっとそう呼んでいる。
まさか、今回ここで失敗するとは思ってもいなかった。だが、今さら言い直すのも、失敗したと宣伝しているも同然である。ここは、知らん顔をしておこう。
「ありがとう、ミリエラ嬢」
こちらは完璧な王子様スマイル。
あと十年もしたら、年の近い女の子達がきゃあきゃあ騒ぐのだろうなと、他人事のように思う。
なお、ミリエラ本人の頭からは、自分もそのひとりであることが完全に抜け落ちている。
「お父しゃまと一緒に選びました」
また、噛んだ。今日はどうかしている。たくさんの人に囲まれて緊張したのだろうか。
「……ディートハリュト殿下、お誕生日おめでとうございます」
──噛んだ。
ディートハルトにプレゼントの包みを渡しながら、ミリエラは内心舌打ちした。
出会った頃、ディートハルトの名を正しく呼べなくて、『ディー』でかまわないと言われ、それ以来私的な場ではずっとそう呼んでいる。
まさか、今回ここで失敗するとは思ってもいなかった。だが、今さら言い直すのも、失敗したと宣伝しているも同然である。ここは、知らん顔をしておこう。
「ありがとう、ミリエラ嬢」
こちらは完璧な王子様スマイル。
あと十年もしたら、年の近い女の子達がきゃあきゃあ騒ぐのだろうなと、他人事のように思う。
なお、ミリエラ本人の頭からは、自分もそのひとりであることが完全に抜け落ちている。
「お父しゃまと一緒に選びました」
また、噛んだ。今日はどうかしている。たくさんの人に囲まれて緊張したのだろうか。