カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない~
もっというなれば月島蒼空とは小学校時代はかなり仲が良かった。
家は少し離れていたものの、方向は同じであったため、登下校も一緒になることが多く、私達はよく噂になっていたように記憶している。
中学校に上がってからはお互い部活などですれ違いが多くなり、ちょっとずつ疎遠になり、高校に入ってからは全く顔を合わせることもなくなってしまった。
その蒼空が今になってまさか私の目の前に現れようとは。
しかもこんな形での再会など、いったい誰が想像できたであろうか。
「本当に由華ちゃん……?」
久しぶりに私をそう呼んだ蒼空の声は、あの頃と違って低く優しく、男らしく変化していた。
「蒼空……だよね?」
いまだに確信が持てず曖昧に見せた笑顔に、蒼空はまるで花が咲いたかのように弾ける満面の笑みを見せてくれた。
「そうだよ、由華ちゃん。久しぶりだね」
「十年以上ぶりだもの。蒼空だったなんて全然気が付かなかった……です」
一瞬、プランナーとお客様であることを忘れそうになってしまった。
私は、慌てて口調を戻してみたけれど、吉崎様は眉を寄せて蒼空を訝しげに見つめた。
自分の婚約者とプランナーがいきなり馴れ馴れしく会話を始めたら、気に障るのも無理はない。
下手な誤解を招く前に、ここはきっちりと説明しなくては。
そう思い蒼空に再び視線を送ったけれど、どういうわけか蒼空は拗ねた子供のような表情で私を恨めしそうに見つめているではないか。
家は少し離れていたものの、方向は同じであったため、登下校も一緒になることが多く、私達はよく噂になっていたように記憶している。
中学校に上がってからはお互い部活などですれ違いが多くなり、ちょっとずつ疎遠になり、高校に入ってからは全く顔を合わせることもなくなってしまった。
その蒼空が今になってまさか私の目の前に現れようとは。
しかもこんな形での再会など、いったい誰が想像できたであろうか。
「本当に由華ちゃん……?」
久しぶりに私をそう呼んだ蒼空の声は、あの頃と違って低く優しく、男らしく変化していた。
「蒼空……だよね?」
いまだに確信が持てず曖昧に見せた笑顔に、蒼空はまるで花が咲いたかのように弾ける満面の笑みを見せてくれた。
「そうだよ、由華ちゃん。久しぶりだね」
「十年以上ぶりだもの。蒼空だったなんて全然気が付かなかった……です」
一瞬、プランナーとお客様であることを忘れそうになってしまった。
私は、慌てて口調を戻してみたけれど、吉崎様は眉を寄せて蒼空を訝しげに見つめた。
自分の婚約者とプランナーがいきなり馴れ馴れしく会話を始めたら、気に障るのも無理はない。
下手な誤解を招く前に、ここはきっちりと説明しなくては。
そう思い蒼空に再び視線を送ったけれど、どういうわけか蒼空は拗ねた子供のような表情で私を恨めしそうに見つめているではないか。