隣の席に座るヤンキー男子の癖は甘噛みです
9.もともと一人ぼっち
ちょっと、想定外だった。
前日の放課後、あんなに思い詰めてたのが嘘みたい。
私って、もともとこの教室で一人ぼっちなんだ。
登校しても、クラスメイトと朝の挨拶はしないし、会話もない。
だから、何の変化もなく学校生活を過ごしてる。
ただ……
遅刻してきたヤンキー男子は、私の目の前を素通りして自分の席につく。
黙ったまま、何も話かけてこない。
私は言われたまま、口を閉じておとなしくしてる。
彼は、カーストの子たちと仲良く話す機会が増えている様子。
その中に、黒髪清楚の女子生徒もいる。
彼女は、若林くんのそばにいつもいて楽しそう。
笑顔も可愛いし、お似合いじゃないでしょうか……
放課後も、どこかで一緒に遊んでるような印象。
カーストの子たちと、一匹狼だったヤンキー男子の絆が強くなっていく。
……そんな時、事件はおきた。