隣の席に座るヤンキー男子の癖は甘噛みです


 四月末の連休が始まる直前、ヤンキー男子が学校を欠席した。

 遅刻の常習犯だったけど、欠席するなんておかしいと感じてる。


 教室の雰囲気もちょっと変だ。

 空気が重いというか、気まずい感じ。


 翌日の朝も、教室の中は険悪な状況が続いてる。

 ぼっちの私は、クラスメイトに何が起きたのか聞くことができない。

 そんな時、朝のホームルームが始まって担任教師が姿を見せた。


 教壇の上に立つ先生が話す言葉に、私は耳を疑ってしまう。


「えーっ、若林は無期限の停学になった」


 私は顔を上げ、両手で口元を隠しながら目を見開く。


「そんな……」


 驚きを隠せない私は、小声でつぶやいた。

 前日から、教室の雰囲気が悪かったのも理解できる。

 ヤンキー男子が姿を見せず、欠席していたのは処分が決まってなかったからだ。


 クラスメイトはみんな知ってたのに、私だけが……



 すごく、悲しい気持ちになってしまうよ……



< 18 / 27 >

この作品をシェア

pagetop