隣の席に座るヤンキー男子の癖は甘噛みです


 学級会の時に、私は勇気を振り絞って発言したんだよ。

 ちょうど先生もいたから、話がまとまるのも早かった。


 クラスメイトのみんなは、若林くんが悪くないって知ってたし。

 カーストの人たちは罪悪感でいっぱいだったから、すごく協力的だった。


 おかげで、みんなと話すことができたから、私はもう一人ぼっちじゃないよ。

 対人スキルもレベル3ぐらいまで上がったかな?

 まだまだ低いね、もっと頑張ろう。


「また黙り込んで、不器用な奴だな」


「うん、ごめんなさい……」


 心の中ではおしゃべりだけど、口に出して話すのは苦手だった。

 これから少しずつ、克服できればいいな……


「あっ、そういえば!」


「どうしたんですか……」


 若林くんが、思いついたように声を張り上げる。


「これからは、まじめに学校生活を過ごさないと、俺は退学になるらしいぜ?」


「……じゃあ、遅刻に気をつけましょうね」



 少しずつだけど、私は会話ができるようになっていた。



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