隣の席に座るヤンキー男子の癖は甘噛みです
3.やっぱり地味子あつかい
入学式から一週間。
教室の中で、気の合うグループが周囲にできはじめた。
おとなしくて人と話すのが苦手な私は、一人ぼっちで自分の席に座ってる。
文学少女のように、小説を読んで休み時間をつぶすことが多い。
同級生と、会話をしなくていいから楽だったりする。
「よっ、元気でやってるか!」
「あっ、おはようございます……」
いつも遅れて登校してくるヤンキー男子。
私が座る席の前を通る時、かならず声をかけてくる。
同じ歳のクラスメイトでも、怖い見た目と威圧的な外見でビクビクしてしまう。
だから無意識に、敬語で話てしまうけどしかたない。
すでに遅刻の常習犯で、先生に目を付けられてると噂で聞いた。
そんな若林くんが、自分の席に座ってすぐ私に言ってくる。
「なんだジミーちゃん、また小説か?」
「そう、です……」
このクラスで、私に話かけてくるのは彼ぐらい。
いつも、からかってくるような感じなので少し不快に思ってしまう。
最近は、ジミーちゃんと言われても抵抗なく返事をしてしまう私がいる。
だけど、それがクラスにも浸透し始めて、ちょっと嫌な感じ。
陰でコソコソと、浅野は地味子だと陰口をたたかれてるのも知っていた。