恋した先輩には病みがある!?
そして怖くなった。

恋桃のそれを失ってしまうことが。
それに素直に溺れてしまうことが。

もし恋桃にもう好きではなかったと言われようものなら、俺はどうなってしまうのだろう。

きっと正気ではいられなくなる。

そんなことを考えるぐらい俺は恋桃からの好意を求めていた。

一緒に焼肉に行って恋桃から語られた気持ちで俺がどれだけ満たされたのか知らないだろう。

子供の話をされて将来のことも考えてくれていうんだとひそかに喜んだことだって、俺が可愛いというだけでこの世で一番幸せそうに笑う恋桃が可愛くて可愛くてどうにかなりそうなことだって。

だから俺もそろそろ自身の気持ちと真っ向から向き合おうと思った。

俺だけ恋桃から好意をもらい満たされるのは違うと思ったから。

一気に飲み込むには大きくなりすぎた気持ちをすぐに受け入れれば楽にはなるだろう。

でもそうしてしまえば俺は恋桃に何をするかわからない。

最近だんだん父親がなんで母親を監禁したのかわかるようになってきた。

共感はできるが父親のようにはなりたくない。

なら少しずつ飲み込もう。

そのために俺は答えを出すまで待ってと伝えたのだ。

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