恋した先輩には病みがある!?
あれだけ悪態をついてきた叔父にすらそんなこと思ったことないのに。

幸い俺のぐしゃぐしゃとした感情は恋桃がすぐに俺のところに来てくれたから少し治まった。

そうだよね。

恋桃は俺が好きなんだよね。

あいつなんてどうでもいいもんね。

だと思った。

でも、じゃあ、なんであいつのことは名前で呼ぶの?

俺のことは「先輩」と言って名前で呼ぶくせに。

「斗愛先輩」なんてあまり呼んでくれないのに。

なんであいつは毎回毎回名前で。

今まで抑えていた歪な独占欲が暴走しておかしくなる。

気づいた時には恋桃を抱きしめていた。あぁ俺に抱きしめられて動揺してる。

可愛い。

いい匂いがする。

ずっとこうしていたい。

「斗愛くん」と呼ぶ声も好き。

ついつい甘えたくなる。

俺を「斗愛くん」と呼ぶのはこの世で恋桃だけだ。俺も恋桃の唯一になりたい。

だから「恋桃」と呼ぶことにした。

ほら、「桃ちゃん」は恋桃の友達が呼ぶ愛称だよね。

俺は友達じゃないからそろそろ呼び方を変えたいと思っていたんだ。

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