鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「虫??」


「男のことを虫っていうんだよ、覚えとけ。」


ふーん、お兄ちゃんは私に恋愛の1つもさせてくれない気なのだろうか。


「お兄ちゃん、私ね…好きな人できたよ」


「…………」


その言葉に反応して、足を止めたけど、何も言葉を発しないお兄ちゃん。


え?なになに、もしかしてだけどお兄ちゃん…─ショック受けちゃった??


まぁ、誰もが認める重度のシスコンだからなぁ……私が言うのもなんだけど。


「……なぁ、桜妃。」


「…ん?」


「どこの誰、そいつ。」


あれ、?なんかお兄ちゃん雰囲気が………
メラメラしてるというか、オーラーがすごい。


「まって、お兄ちゃん、あの……」


止めなきゃまずい、本能的にそう思った時だった。
< 101 / 302 >

この作品をシェア

pagetop