鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
なぜこうなったかと言うと………


とある日の放課後、下駄箱に向かっていた私は、鳳条先輩に話しかけられた。


「桜妃、今帰り?」


「あ、はいっ!」


なんでだろう、鳳条先輩の顔を見れるのが、とにかく嬉しい。


「送ってく。」


えっ、それって、鳳条先輩と帰れるってことだよね!?今日はお兄ちゃん、大学の授業があるって言ってたから、多分大丈夫だよね、うんうん。


「えと、迷惑じゃなければ……お願い…します。」


「……やった」


何故か喜ぶ鳳条先輩。


「桜妃、どっか寄りたいとことかないのか?」


歩きながら、そう聞いてくれる。


「寄りたいとこ……私は大丈夫です。でも、鳳条先輩が寄りたいとことかあれば……」
< 105 / 302 >

この作品をシェア

pagetop