鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「…俺も特にないな。でも、出来るだけ長く桜妃と一緒にいたい。」


っっ、、私も……鳳条先輩と一緒にいたい…


言いたい、そうやって。


「私も──」


「桜妃?」


私の言葉は、ここにいるばすのない、お兄ちゃんの声によって遮られた。


反射的に後ろを振り向く。


「桜妃、誰。」


私だけに聞こえる声で、鳳条先輩が問いかける。


「………お、兄ちゃん……」


「え?」


鳳条先輩が驚いたような声をもらした時、お兄ちゃんは、私の腕を引っ張って自分の後ろに隠すようにした。


「お前だれ。」


「鳳条 狼と申します。」


鳳条先輩…なんか冷静、、??


「桜妃のなに?」


「…なんでもないです。」
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