鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
っ…もう、なんなの。


ちなみに、私とお兄ちゃんのやり取りを見てた鳳条先輩は、いつも私の手を握って、


「今日は俺に譲ってください。」


とはっきり言ってみせる。


お兄ちゃんからすると、そんな自信に満ち溢れたような態度が逆に気に入らないのだろう。


自分が負けた気分になる、みたいなことを前も言ってた気がする。


それも相まって、元々のお兄ちゃんの頑固で負けず嫌いな性格を引き立たせていく。
その間にいる私は完全に言いなりだ。


この2人はどっちも折れようとしないから…完全衝突を起こしているのだ。


私の意思も少しくらい気にして欲しい。私はずっと鳳条先輩、って言ってるのに……


「……拒否する。」
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