鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
鳳条先輩に呼ばれる時はいつもそこだから、いつものとこ、で分かるようになった。


『もちろんです。』


そう返信を送って、スマホをそっと机の上に置く。


鳳条先輩、どうしたんだろう。何か……考えがあるのかな…?


……鳳条先輩と久しぶりにゆっくり話せる機会かもしれない、楽しみだなぁ…。


誰にも見せれない、だらしなく緩んだ口元を見て、私は本当に鳳条先輩が大好きなのだと、改めて実感した。




──次の日の昼休み───


一呼吸おいて部屋をノックすると、すぐに開いたドアの隙間から手が伸びてきて、私は勢いよく部屋の中に連れ込まれた。


体勢が保てなくて、そのまま地面に座り込んでしまう。
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