鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「私にそういう経験がなくて嬉しいって聞こえちゃったんです。ごめんなさい、自分でも恥ずかしいこと言ってるって分かってます…だから……」


続きを言おうとした時、鳳条先輩の人差し指が私の唇に触れた……。


え、えっ!?なんですかっ、この指は……


ドッドッドッ って、どんどん脈が速くなっていく。


映画の演出みたいに、今の鳳条先輩の顔は、カーテンの隙間から覗く太陽の光に照らされて……輝いている。


「…桜妃、大正解」


………っ、こんなのっ、ドキドキしないわけがない。


鳳条先輩はそれから…夏の向日葵のような笑顔を浮かべた。


多分、私の気持ちなんてしらない。


「桜妃、夏休み一緒にいたい」
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