鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「えっ、?」

「あんた……」


綺麗な漆黒の瞳に吸い込まれそうになった瞬間、大きな音をたててドアが開かれた。


その音にビクッと体が震えて、反射的に、鳳条さんの…その手を払い除けていた。


「狼、またここにいた……って…誰??」


聞きなれたその声。


「レン……くん?」


大好きなレンくんが私の顔を見て、眉毛を潜めている。


なに、これ…。どんな状況…。


「…えっと、私は…」


しどろもどろになって、視線を泳がす。


と…後ろに寝そべっていた鳳条さんが私の手を握った。


そして、何故か…そのままレンくんの方に歩いていく。


「蓮。俺…」

「ん?」



「俺の隣に置くの、こいつにする。」



その言葉に私は思わず鳳条さんの顔を見上げた。


今……なんて…??


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