鳳条先輩は私への溺愛が止まらないらしい。
「なぁ、桜妃。」


「は、はい!」


テーブルの上に置いた私の手は鳳条先輩に優しく掴まれる。


「俺、桜妃がしたいこと全部やるから。」


「え?」


「夏休み、したいこと考えておいて。一緒にやるぞ。」


っっ、、


「はいっ!」





パンケーキの口いっぱい広がる甘さと、鳳条先輩からもらう甘い言葉で、私の心は甘く溶けていった。





──今年の夏休みは私の人生の中で1番楽しくなる、そんな予感がしていた。


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